Beryyz工房への5年間と懺悔

最近、私の周りでブログを書くことが流行っている。

内容は自分の考えや感じたことや近況など実に自由で、元々Twitterが無かった時代はブログ漁りをしていた私はとても楽しく読ませてもらっている。

私自身もブログやサイトを作っていたのでまた何か書いてみるかなとメモ帳を引っ張り出してみたらBeryyz工房の活動停止ラストコンサート後に書き殴った文章を掘り出したので加筆修正して何となく読める文に仕上げてみた。

これは明るいアイドル話ではなくBeryyz工房の結末を見届け、そして後悔した1ファンの残骸みたいなものなので対して面白くもないし長いので読みにくいかと思うがもし貴方がアイドルでも何でも応援している人だったら、是非読んでやって欲しい。




2015年3月3日、Berryz工房のラストコンサートが武道館で行われた。

私がベリを愛した17歳から22歳までの4年と8ヶ月が終わった。

ここではBerryz工房にハマってから最後の武道館に足を運ぶまでの約5年間を書いていきたいと思う。


私のTwitterを見ている方はご存知だと思うが、私は筋金入りのオタクである。

そんな私がBerryz工房というアイドルの存在を知るきっかけになったのはお気付きの方もいるだろうがアニメ「イナズマイレブン」だ。

イナズマイレブンとはレベル7から発売された同名のゲームをアニメ化した作品で、超次元サッカーというドラゴンやら魔神やらを召喚して必殺技を打ちサッカーをするというとんでもないアニメなのだが今回は説明を割愛させていただく、話し出すと止まらないからだ。

とにかく当時花の女子高校生だった私はイナズマイレブンのおかげで洒落っ気のないクソ喪女ながらも萌えというボールを蹴り上げる楽しいオタクライフを送っていた。そんな中イナズマイレブンのEDが新しくBeryyz工房の歌う「本気ボンバー‼︎」になり、夏らしい雰囲気や流れるキャラ達の楽しそうな笑顔と相まってこれはめちゃくちゃ良い曲だ……!と思い早速CDを買おうと検索をかけたのが私とBeryyz工房の出会いだった。

Beryyz工房は本気ボンバー‼︎以前にも「青春バスガイド」「流星ボーイ」「雄叫びボーイ WAO!」と3曲もEDを歌っているのだが、存在を知ったのは今回の曲が初めてだった。

それまでの私はアイドルに対してどこか気に入らない感情を抱いていた。

やはりオタク喪女にとってアイドルというのは自分と違って輝かしい場所でへらへらと笑って歌って踊るだけでちやほやされる存在だと思っていて、恵まれている存在だから妬ましい、という気持ちをアイドルは馬鹿っぽいという適当な理由で蓋をして嫌っていた。

だから私は「Beryyz工房 本気ボンバー‼︎」で検索をかけて衝撃を受けた。そこには髪の毛を逆立てロックテイストな衣装を着こなしたどっからどう見ても渋谷の109の前でわいわい騒いでいそうなギャル達が生歌で激しく踊っていたのだ。

え、今のアイドルってこんなギャルっぽいの??こんな子達がアニメのED歌うの??てゆうか生歌上手いな!?というのが最初の感想だった。

この頃はまだAKBが流行りだしたくらいの時期で、アイドリングなどもまだ知らず所謂アイドル戦国時代の前の話なのでアイドルにギャルっぽい子がいるということ自体が私にとって衝撃だった。

私がアイドルというものに全く知識が無かったというのもあるが、モーニング娘。にも田中れいなさん(後に大ファンになる)などギャルっぽいの方がいるのを知らなかった上、本気ボンバー‼︎を歌う彼女たちはアイドルに興味が無さそうなクラスの中心グループにいるような子がアイドルをしていることにただ驚いた。

しかもその時の大人っぽいメイクから私は彼女達が成人していると思っていたので実際の年齢は私とほぼ同年代(当時高校生)ということにも衝撃を受けた。

また、彼女達が生歌でLIVEをしていることにも驚いた。

アイドルは口パクで踊るものだと思っていたが彼女らは生歌で、しかも異様に上手い。

特に最年少の菅谷梨沙子ちゃんはアイドルとは思えないほど低い声を響かせていた。

アイドルは可愛らしく見せるためどんな歌も可愛らしい声で歌うものだと思っていたが、梨沙子は外国の女性シンガーみたいなド低音にビブラートをきかせまくっていた。

勿論可愛らしい声質で歌っている子もいるが(皆さんご存知ももちなど)それぞれメンバーが自分の声質を隠さず活かして、とても伸び伸びと歌っている。

本気ボンバーは‼︎曲のテイスト上Beryyz工房の楽曲の中でも特にアイドルらしからぬ歌い方をするのだが、私はたまたま最初にこの曲を歌っているBeryyz工房を見たことによって、こんな感想を抱いた。

彼女達はアイドルだけど、アイドルっぽくない。

それは今までアイドルを毛嫌いしていた私がアイドルに興味を持つきっかけとなった。

あまりアイドルらしくない彼女達なら好きになれるかもしれないと、私は思ったのだ。

けど、それは後に大きな間違いだったことに気付く。

彼女達は、どこまでもアイドルだった。


私はそれから彼女達の動画の漁りに漁った。

この時点で彼女達は芸歴が6年ほど経過していたので曲はたっぷりと豊富で、ハロコンの動画などもあり私は一気にBeryyz工房を知ることが出来た。

イナズマイレブンの曲や昔のモーニング娘。のカバーなど聴きなれた曲があるので耳に馴染みやすかった。

彼女らのLIVE映像を見ていく中で彼女達は踊りにも手を抜かないことを知った。

歌もダンスもそれぞれに得意不得意がある、けど彼女達がアイドル活動に費やしてきた時間はそれをいとも簡単に隠してしまう。

活動してきた年月が背中を押すようにどの子も堂々と、自信ありげに客席に微笑む。

格好良い、素直にそう思った。

そして、ハロプロのLIVEといえばお客さんも一緒に振りを踊って楽しむことが多い。

アイドルと同じ振りを踊ることで一体感が生まれ、一言も言葉を交わしていない隣の観客とも何故か仲良くなったような気分になる。

アイドルの曲はこういうところにも楽しさがあるのかと初心者はダンスの大切さを知った。

LIVEならではの一体感の演出はファン発祥の独特な掛け声だ。

「L!O!V!E!ラブリー雅!」など曲の合間にみんなで叫ぶ掛け声が決まっており、大声で叫ぶととにかく気持ち良い。(この掛け声は別に叫ばなくていけないという決まりはないので、静かにLIVEを観たい人は無理せず参加しなくとも良い。)

アイドルは舞台の上の存在だが、こうやってファンと心を交わしていくのだろうか。

YouTube越しのキラキラした画面を見つめながらそんなことをぼんやりと思った。

Beryyz工房の動画を見ていくうちに、他のハロプロ勢も出演するLIVE映像も見つけた。

そこは他のグループもみんな一緒になって作り上げる、輝いたステージがあった。

やはり大勢で歌うぶんだけ圧巻されるし、最後のラストスパートにかけてのメドレーなんかは勢いが凄すぎて、とにかく圧倒された。

なんというか、アイドルってこんな熱いんだと感じた。

だってこんなに必死に踊って生歌で歌いまくって疲れない筈がないのに彼女達はみんな笑顔で最後まで全力でステージを走り続けてる。

汗で前髪が張り付いてもまったく気にせず笑っている。

きっとこの笑顔を維持するの絶対キツいはずなのに。

そう思ったら、なんだか凄く胸が熱くなった。

馬鹿な私には彼女らのキラキラと瞬く美しさを言葉にする語彙力がないのが非常に悔しいが、その形容しがたい一瞬が、私には眩しかった。

そうして私は見事アイドルオタクになったのだ。


私がアイドルで最初に好きになったのは菅谷梨沙子ちゃんだった。

彼女は先程述べたようにアイドルらしからぬ声量で私の心は一気に掴まれた。

発音といいビブラートといい彼女のパフォーマンスはアイドルの域を超えているのではと思う。

見た目も非常に整った顔と色っぽい表情で誤解されがちだが彼女はBerryz工房最年少で活動停止の時20歳という若さであった。

彼女はステージに立っている時こそプロだが素はお洒落が好きな甘えん坊の女の子で、ステージ以外の映像で素の彼女を見て驚く人もいるだろう。

お洒落が好きで髪の色をラベンダー色に染めたり、個性的な服装やアクセを身に付けていたりするが、そのどれもが彼女にピッタリ似合っていて彼女の美しさを際立てるアイテムとなっている。

Beryyz工房での彼女はイメージカラー赤とセンターを担っている。

ステージ上の彼女はその色とポジションに恥じぬ美しさと歌声を凛と私達に届けてくれる。

私はどうしようもなく彼女に惹かれた。

こんなに可愛くて愛らしい女の子から飛び出す重みのある声と響きが、アイドルという存在とのギャップを生んでいるがステージの上で踊って笑顔を見せる彼女の顔はプロそのもので、その瞳はきらきらと輝いている。間違いなくアイドルなのだ。

なんて不思議な子なんだろうと思った。

けどその不思議な存在はBeryyz工房という大きな存在で守られていることを知ることになる。

Berryz工房というグループは結成当時ほぼ小学生で組まれたグループで、2005年に石村舞波ちゃんが脱退した後ずっと7人で活動し続けた。

このグループはずっと1人1人の個性を尊重していた。

分かりやすいのが嗣永桃子ことももちのキャラクターだろう。

普通なら浮いてしまいがちなももちのキャラがベリの中にいると驚くほど馴染んでしまう。

これは桃の性格をメンバーが理解して対応しており尚且つ他のメンバーも負けず劣らず個性が強いことが理由だ。

佐紀ちゃんのキャプテンで最年長だけど1番大人しくおぱょという挨拶をずっと使い続けたところも梨沙子のコロコロ変わるメイクや髪色も、雅ちゃんのギャルっぽい見た目と裏腹に優しくて照れ屋なお姉さんなところも、茉麻のみんなを包む母のような暖かさに実はアニメオタクなところも、熊井ちゃんのぽやぽやして不思議なトークをするけど実は負けず嫌いなところも、素晴らしい個性だ。

この個性を生かして敢えて統一感や仲の良さアピールをせずに活動していたのがBerryz工房だ。

けど統一感がないからと言って決してバラけているわけではない。

彼女達の個性の強さはグループにとってマイナスに作用するわけではなく、むしろプラスになっていた。

一見見た目も性格もバラバラな彼女達がひとつになって踊り歌っている姿は、美しかった。

私が彼女らにハマったのは高校生の頃で北海道に住んでいた為にライブに気軽に足を運ぶということが出来なかったが、オタク活動の合間にCDを買ったりネットで動画を見ながら彼女らを追いかける青春時代は楽しかった。

高校を卒業し上京した私が初めて観たコンサートは『Berryz工房コンサートツアー2013春 〜Berryzマンション入居者募集中!〜』だった。

2階スタンド席から初めて生で観た彼女達のパフォーマンスに私は声が枯れるまで叫んだ。

会場いっぱいに響くコールもメンバーの細やかなフォーメーションもクルクルと曲ごとに変わるサイリウムも、DVDで見て知っていたはずなのに私には大きな衝撃だった。

本物のLIVEって凄い!絶対にまた来たい!私はそう強く決意した。

けれども、私はそれ以降彼女達のLIVEに足を運んだのは最期の武道館を含め2回だけだった。

ここからは、私の懺悔になる。

私は彼女達の活動が盛んなことに甘えてしまったのだ。

Beryyz工房はコンサートツアー、ハワイツアー、バスツアーなどイベントをたくさん行っていた。

ハロプロ全体のコンサートやイベントにも参加していたし、AKBの影響を受けてか握手会なども開催されるようになった。

つまり、会おうと思えばいつでも彼女達に会いにいける状態だったのだ。

私は私生活の忙しさからまた今度、また今度行けばいいと思い、LIVEに行くのを先延ばしにしていた。

行こうと思えばいつでも行けたのに。

1人で行くのが恥ずかしかったのだ。

私は1人でひっそりとアイドルオタクをしていたからアイドル関係の友達が1人もいなく、LIVEには1人で行かなければならなかった。

当時の私はLIVEに不慣れで1人で行くことが凄く大変なことのように思っていた。誰か傍にいて欲しい、一緒に楽しんでLIVE後に感想を言い合いたい。

でも、誰もいないから行くのはやめておこう。そう思っていた。

今思えば、作ろうと思えばアイドル友達だって作れただろうし、1人で行ってもBeryyz工房は充分に私を楽しませてくれたのに。

CDもそうだ、動画で聴けるからと買わなくなった。

私が買わなくても他のファンが買う、別に握手会とか興味無いし本当に好きな曲だけ買おう。

気軽にyoutubeなどで動画が見れることもあって、私は現場に行くことやCDを買うことに対して意味を見出せなくなったいた。

Beryyz工房のことは大好きだったし、LIVEに行けば勿論テンションも上がるのだが、いつしか私はネット上でだけしか彼女達を見ようとしなかった。

だって、行こうと思えばいつでも行けるから。

そんな私に天罰が下ったのは2014年8月2日のことだった。

その日の私は友人達と夏祭りに行った後カラオケでイナズマイレブンの曲を歌っていたときのことだった。

そう、私がBeryyz工房を好きになったきっかけである本当ボンバー‼︎も歌っていた。

オタク達が盛り上がる中何と無くネットニュースを覗いた私の目に飛び込んできた「Beryyz工房 無期限活動休止」の文字。

驚きのあまり、気が動転してその後のカラオケはよく覚えていない。

帰って1日経って、活動停止についてのニュースを漁りまくって、漸くなんとか事態が飲み込めた状態だった。

事実上の解散宣言。

信じられなかった、だって彼女達は10年も活動していたのに。

でも、その考えこそが私の過ちだった。

10年やろうと20年やろうと、売れなければアイドル達は辞めるしかないのだ。

Beryyz工房はハロプロの中ではモー娘。現メンバーよりも活動期間が長く1番上のお姉さんグループとして君臨していたがアイドル戦国時代の中で売れていたかといえば、売れていなかった。

ももちなどメンバー個人の知名度が高くても、Beryyz工房というグループ自体が世の中に深く浸透されることは無かった。

個人的な意見だがBeryyz工房がもう少し世間に知られ売れていたら、彼女達はこの決断を下さなかったと思う。

活動するのにはお金が必要だ。

そのお金はネットの動画やニュースなどではなくCDの売上やLIVEのチケット代などから出てくる。

私は、自分が彼女達に投資しなかったことを後悔した。

2015年3月3日、私は武道館に1人で行った。

気が遠くなるほどの物販の列の最後尾に並んだら、武道館の中からリハーサルの音が聴こえてきた。

胸が締め付けられるような気分だった。

ダンド席から見下ろした彼女達は相変わらず眩しく輝いていた。

いつもと変わらぬ最高のパフォーマンスを、彼女達は笑顔でこなしてみせた。

最後のメンバーの挨拶、須藤茉麻ちゃんが言った言葉が忘れられない。

こんなに素敵な空間を守ることができなくて、本当にごめんなさい

瞬間、想いがぶわっと溢れた。

私は違うと叫びたかった。

大切な空間を守れなかったのは私達の方なのだ。

もっと彼女達のLIVEを観に行けば良かった。

もっと彼女達のCDを買えば良かった。

もっと、もっと彼女達に会いたかった。

私はただ泣きながらBeryyz工房の終わりを見つめ続けた。

LIVE終了後も「ベリーズ行くべ!!」のコールは暫く止むことはなく、会場を出た後も感情が抑えられない人達が乱闘騒ぎを起こしているのを横目に私はぐちゃぐちゃになった心を片付けられないまま帰路に着いた。

あれから暫く経ち、漸くBeryyz工房の曲をまた純粋に楽しく聴けるようになった。

彼女達が残してくれた楽曲たちは今も私に楽しさを与えてくれている。

自分の好きな物に投資するかどうかは人それぞれだと思う。

現場に行かないオタクがいてもいいし、CDを買わないオタクがいてもいい。

大事なのはそれで後悔しないかどうかだ。

私は彼女達がいなくなると分かって、後悔した。

売れていない現場や金銭だけが解散理由ではないだろう。

10年アイドルを続けたきた彼女達には私達の知らない色んな苦労や辛いものがのし掛かっていただろう。

けど、まったく無関係だとも思わない。

アイドル活動というものはお金無くして続けられるものではないから。

それは、アニメだったり漫画だったり、人気商売のものすべてに言えることだ。

私は今、ジャニーズのV6というグループを応援している。

Beryyz工房よりもはるかに知名度が高く、活動年数も20年と倍だ。

事務所も大きく、彼らは事務所内でも上の立場にいる。

最近また人気が上がってきており、解散する要素などひとつも見当たらない。

それでも、私はファンクラブに入りCDを出来るだけ買いコンサートに足を伸ばす。

それは活動を続けて欲しいから、というのもある。

けど、本当はもし彼らが解散してしまったとしても、自分は出来るだけのことはしたと納得できる理由が欲しいからだ。

こんなのはただの自己満足だ。

けど、応援するということはそういうことだ。

自分が後悔しない、いざというときに納得できる応援を私はしていきたい。

私は今でも、Beryyz工房を応援している。

ずっとずっと、応援している。